2006年01月05日

_マイナスイオン

 実家に帰ったときにセラミックファンヒータを購入しようかとJoshinに視察に行ったのですが(何も買いませんでした)、その売り場の近くにあったマイナスイオン発生装置なるものに目が止まりまして、セラミックファンヒータより高いお値段だったのであります。家に帰って家族のみなさんと空気が綺麗になるだけのものがここまでお高いなんておかしいねぇという話になりましてたいそう盛り上がりました。そういった矢先、スラッシュドットでも報告があったのですが、日本物理学会がニセ科学のシンポジウムを開くとありまして、マイナスイオンのようなニセ科学を考え直すということでありました。そこで、自分もマイナスイオン発生装置について調べてみました。

 果たして、マイナスイオン発生装置はパッチもんの詐欺商品なのか!!

 結論:根拠はありませんが、そうでもないみたいです。

 これは自分である程度調べた結果からの結論なのですが、まずマイナスイオンって何?ってことなんですけども、いわゆる造語だということですね。なんだか正体不明の物体が負イオン(陰イオン)化された状態を指しているようです。一般的なマイナスイオン発生装置のほとんどが、コロナ放電という仕組みを利用して、空気中から負イオンを大量に生成しているようです。コロナ放電の仕組みは現時点ではよくわかっていないので、反応化学式は割愛しますが、(NO3-)(HNO3)m(H2O)nと表記される大気中から得られる多数配位された負イオンの物質(おそらくこのたぐいの物質をマイナスイオンと呼んでいるらしい)とO3と表記される同じく負イオンになりうる物質(オゾン)が生成されるらしい。同時に正イオンである(NH3+)(H2O)nと表記される物質(アンモニウムイオン)も生成されるそうです。レナード効果という滝のほうの現象も仕組みこそ違えど同じようなことらしいです。また、この通称マイナスイオンは非常に不安定で0.5秒程度で元の雰囲気状態に中和しようと働くそうです。ということはマイナスイオン発生装置は常時稼動していないと意味がなさそうだね。0.5秒で元通りなんだもんね。

 とにかく、コロナ放電の場合には具体的にどういった反応式になるのかまでは今回は調べられなかったのですが、だいたいはこういうことらしいです。

 負イオン化された物質がなんらかの形で体によい影響を及ぼしていることはどうやら立証もされているようです。現に植物も長時間、枯れなかったり、人体でも、調子が良かったりしているということが数多くの実験で確認できているようです。ただし、具体的な、科学的な、説明は無いようです。

 ここで気になるのは、オゾンという物質が同時に生成されてしまうということですね。オゾンは地球の大気圏付近を覆っていると考えられている物質ですが、実は高濃度のオゾンを人間が1時間程度吸ってしまうと即死するほど強烈な毒物なのです。しかし逆に低濃度のオゾンだと殺菌効果があるとされています。オゾンという物質の不安定さゆえ反応しやすく、酸化しやすい。人体に及ぼす影響を具体的にたとえると老化を促進するという感じでしょうか?肺水腫のような病気が症状として真っ先に現れてくるそうです。肺が一番最初に老化するってことなんでしょうね。1時間くらい高濃度のオゾンを吸うと即死ということですから、息もできなくなるほど老化が進むということなのでしょうか?因みにここでいう高濃度オゾンとは50ppmほどの濃度のことを言っています。どちらにしてもこれほどの高濃度になるとものすごく臭いと感じるレベルなので1時間も吸いつづけることはほとんど無いだろうともされています。低濃度オゾンは0.01〜0.06ppmあたりを指すようでして、0.01〜0.03は街中などの大気中、0.04〜0.06では海などの大気中の値になるそうです。海でのあの青臭いというかさわやかというか、そういう臭いはひょっとしたらオゾンの臭いなのかもしれませんね。コピー機とかでは、強力な紫外線を照射する際にオゾンをよく発生させているみたいですね。コピー機を使ったときに紙つまりが発生したらコピー機の扉をあけたりすると強烈な臭いを感じますがまさにオゾンの臭いだと思われます。オゾンも不安定な物質なので大気中においては、安定した酸素のような物質に徐々に変化するそうです。ふぐー。

 と、ここまでオゾンのことを書き綴ってきましたが、要するにオゾンは酒みたいなもので、少なければ殺菌効果、多ければ即死ということで、摂取する量によって、影響度ががらりと変わってしまいます。海岸では0.06ppmの濃度のオゾンが確認できていますが、海に囲まれた沖縄の寿命が短いというわけでもないので、海側と街中でオゾンの影響というのはあまりないような気がしますね(ここらへんは科学的な根拠ゼロです)。因みに0.06ppmでは生物への影響は確認できているそうです(殺菌)。ひょっとして0.06ppmが一番おいしいオゾンだったりするのでしょうか?

 つうわけで、マイナスイオン発生装置は、負イオンとオゾンを発生させつつ、なんかしらないけど体によいということみたいです。オゾンはあんまり発生しちゃうと体に悪いっつうんで最近ではオゾンを発生させないものもあるみたいですね(ほんとかどうかは知りませんがw)。オゾンの人体に及ぼす影響もよくわからないところもあるっちゃあるし、負イオンの人体の影響もこれまたわからない。わからないことだらけのマイナスイオン。飛ぶように売れておりますね。

 結局、長生きしたかったら、運動とかやったり、毎日楽しいことやったりしたほうが体に良さそうだけどね。どうなんだろうね。体には悪くないという検証はされてるわけだし、都会ッ子のみなさんは使ってみては如何でしょうか?1万〜30万のマイナスイオン発生装置が購入できるくらいの力があれば幸せな人生を築ける素質はあるわけで、そういった面でも長生きは間違いないわな。病院にこまめに通える豊かさは大事だよね。

うーん、自分はよくわからないものだし、しばらくは買わないだろうなぁ。うわぁ、みんなより寿命が短くなってたりして...わからないだけに、ほんとわからない。でもー、よくわからないマイナスイオン発生装置だからこそ、信頼の置ける商品を買わないといけないと思うんです。中にはマルチ商法レベルの商品もあったりして、高いだけみたいなものもあったりすると思う。変な商品には手を出して欲しくないなぁ。だってこのたぐいの装置って誰にも文句言えないよね。製品の質を示すそれが、非常にあやふやだから不良品であることを立証するのは難しいと思うよ。うん今日いいたかったのはそれだけ。

メーカーさんには、わからなくてもいいから、装置の仕組み詳細について説明書に書いておいて欲しいですね。化学式とか雰囲気中の変化とか知りたいです。

今のままでは怪しさ満点ですね。何を測ってマイナスイオン30000個/ccとかと言ってるのか?装置を介してどういう物質の変化を引き起こそうとしているのか?その装置の狙いは何なのか?体に良くない物質は出ていないのか?出ているのだとしたらその影響はどの程度のものなのか?これだけ大手総合電機メーカー各社がこぞって高額な商品を販売しているわりにはその根拠が希薄すぎるのではないでしょうか?

投稿者-> yo-net at 23:50 | コメント (0) | トラックバック(0)
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