火車 宮部みゆき 新しいページはコチラ

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 喬子は安堵した。まだ警察にはバレていないのだと。新城喬子は警察からは追われていない。かもしれない。だが彼は知人としてと言っている。本来は違う立場も持っているという事か。まさか関口彰子が自己破産しているとは思いもよらないことだった。喬子自身が一番嫌な過去だ。借金を踏み倒すような人間の身分なんて嫌よ。そう思うとすぐさま次の人間に目星を付けたのだった。可笑しな話だ。殺人をする様な人間はもっと嫌だったはずなのに。
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 喬子は安堵した。まだ警察にはバレていないのだと。新城喬子は警察からは追われていない。かもしれない。だが彼は知人としてと言っている。本来は違う立場も持っているという事か。まさか関口彰子が自己破産しているとは思いもよらないことだった。一度だって通信販売の支払いを滞納せず暮らしていた関口彰子に裏切られた思いだ。喬子自身が一番嫌な過去だ。借金を踏み倒すような人間の身分なんて嫌よ。そう思うとすぐさま次の人間に目星を付けたのだった。可笑しな話だ。殺人をする様な人間はもっと嫌だったはずなのに。
  
  
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 新城喬子の殺人犯の着ぐるみを着ただけの喬子は他人事のようだった。それからまた長い沈黙が訪れた。
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 新城喬子の殺人犯の着ぐるみを着ただけの喬子は他人事のようだった。
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 それからまた長い沈黙が訪れた。
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 ここまで完璧にやってのけてきた相手を目の前にして、扉をこじ開ける難しさを保は感じていた。何が悪い事だったのかさえ分からないと言葉にされて保はどんな気持ちでしぃちゃんを陥れたのか。聞き出すには程遠い所にいるように感じられた。
  
  
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 喬子が立ち上がった反動で座っていた椅子は倒れた。安定するまで何度か寝返りを打つかの様にのたうち回る椅子。椅子が止まりきる前につぎは駆け抜けていったさきのホールの出入り口にあったテーブルの角に喬子がぶつかった為、テーブルがグググとスライドした。碇と本間はレストランの入り口へとあらゆる障害を乗り越え
 
 喬子が立ち上がった反動で座っていた椅子は倒れた。安定するまで何度か寝返りを打つかの様にのたうち回る椅子。椅子が止まりきる前につぎは駆け抜けていったさきのホールの出入り口にあったテーブルの角に喬子がぶつかった為、テーブルがグググとスライドした。碇と本間はレストランの入り口へとあらゆる障害を乗り越え
直進した。速かった。パルクールのという街中の障害物を掻き分け駆け抜けていく競技の選手さながらの動きだった。保は一瞬のことで呆気にとられていた。
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直進した。速かった。パルクールという街中の障害物を掻き分け駆け抜けていく競技の選手さながらの動きだった。保は一瞬のことで呆気にとられていた。
  
  
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 一番オーソドックスな結果を選んだ自分の妄想。自画自賛できる出来栄えだわ。小説を書くという経験値ゼロだからね。なにが出来ても不思議では無い。
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 一番オーソドックスな結果を選んだ自分の妄想。自画自賛できる出来栄えだわ。何かを語らせる展開にすると本作の設定事実を歪めることになるので、それは出来ませんでした。小説を書くという経験値ゼロだからね。なにが出来ても不思議では無い。
  
  
 なんどこの感じを味わっても気味が悪い。耐性が低過ぎて嫌になっちゃう。いつもはノートに書いてたんだけど、面白かったから記事にしました。著作権的にはセーフらしいし。これで大枚を稼ぐつもりでも無いですから。でも嫌がられたら消します。それはそれで宮部さんと繋がる縁が発生するわけだから、嬉しいかもしれない。いきなり警察が来たりしたら笑うしか無い。どんな罰なんだろう。刑務所行くのかな。
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 なんどこの感じを味わっても気味が悪い。耐性が低過ぎて嫌になっちゃう。いつもはノートに書いてたんだけど、作品本体が特別に面白かったから記事にしました。宮部さんの文章は没入感が凄い。作品の中に別の世界の暮らしが存在しているんじゃ無いかと思える空気が流れる。呼吸がそこにある感じです。面白いの一言では表せないものがある。とにかく、こういうものは、著作権的にはセーフらしいし。これで大枚を稼ぐつもりでも無いですから。勝手にやってろ的なものだ思う。でも嫌がられたら消します。それはそれで宮部さんと繋がる縁が発生するわけだから、嬉しいかもしれない。いきなり警察が来たりしたら笑うしか無い。どんな罰なんだろう。刑務所行くのかな。
  
  

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