火車 宮部みゆき 新しいページはコチラ
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喬子が立ち上がった反動で座っていた椅子は倒れた。安定するまで何度か寝返りを打つかの様にのたうち回る椅子。椅子が止まりきる前につぎは駆け抜けていったさきのホールの出入り口にあったテーブルの角に喬子がぶつかった為、テーブルがグググとスライドした。碇と本間はレストランの入り口へとあらゆる障害を乗り越え | 喬子が立ち上がった反動で座っていた椅子は倒れた。安定するまで何度か寝返りを打つかの様にのたうち回る椅子。椅子が止まりきる前につぎは駆け抜けていったさきのホールの出入り口にあったテーブルの角に喬子がぶつかった為、テーブルがグググとスライドした。碇と本間はレストランの入り口へとあらゆる障害を乗り越え | ||
− | + | 直進した。速かった。パルクールという街中の障害物を掻き分け駆け抜けていく競技の選手さながらの動きだった。保は一瞬のことで呆気にとられていた。 | |